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金長神社

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御朱印 - 金長神社
由緒:
徳島県小松島市中田町にある神社。祭神は金長大明神。大映社長永田雅一(旧・新興キネマ株式會社)が『阿波狸合戦 (映画)』成功の礼に寄付した資金を主として1956年(昭和31年)に建てられた。宗教法人ではない。

■概要
伝説上の阿波狸合戦で落命した金長狸を祀った神社である。金長の死後、染物屋の茂右衛門(現梅山家)が金長大明神として手厚く弔い、金長は江戸時代後期の弘化5年(1848年)正一位に上った。

長らく梅山家の屋敷神社として祀られていたが、1956年(昭和31年)、小松島市の観光産業を盛り上げる為、商売繁盛、開運の神としてこの地に勧請された。

なお、当神社の北側にある芝山山上の日峰神社には境内社として、金長神社本宮がある。この神社は、1939年(昭和14年)に新興キネマが作製した映画「阿波狸合戦」のヒットにより会社が持ち直したので、金長への感謝より萬野只七の主唱により俳優らの寄進で同年に建立された。

小松島市民運動場に隣接しており、周囲には桜が植えられ春には花見客で賑わう。

2019年(平成31年)より御朱印が授与されるようになるが、通常は地蔵寺で、限定は特定日のみ神社で授与される。

■物語
むか~し、むかしのぽんぽこぽん。
あわの国の小松島の、日開野に、大和屋ちゅう染め物があったんや。
大和屋の茂右衛門が町の外れを歩きよると、大きな木の周りに人だかりができとるやないか。
「なにごとじゃ?」
茂右衛門は一人の男に尋ねた。
「この木の穴ん中に、金長ちゅう悪だぬきが隠れ棲んじょるのよ。今からそやつを燻り出して、こらしめたるんじゃ」
「なんと…」
茂右衛門が大木を見上げると、ちらりと小さなしっぽが見えた気がしたんや。
「まあまあ、たぬきにはもう悪さをせんよう、わしが説得しよう。無益な殺生をするよりも、さあ、これをもって気持ちを収めとくれ」
茂右衛門はたぬきを哀れに思い、町の者たちに銭を与えて金長を救うたった。

そんなことがあってからというもの、茂右衛門の染物屋は不思議と繁盛した。
「おやっさん、少し話をきいてくれんじゃろか」
「なんや、万吉」
ある時、大和屋へ奉公に来とった万吉という少年が、茂右衛門に語り出した。
「実は、わっしはあんたに助けられた、たぬきの金長や。わっしは206歳になるけんど、この付近のたぬきの頭を務めとる。どこぞ知らん悪だぬきの罪を被ってしもて、あの大木であわやこの命も仕舞いかと思うとったところやった。せめてもの恩返しに大和屋を手伝うとったけんど、これからもここにおらせてもうてええやろか」
「そうであったか、店の評判がようなったのはお主のおかげやったか」
茂右衛門は万吉に衣食住を与え、それからも万吉・金長はせっせと働いた。
そのうちに金長は、店を訪れる人々の病気を治したり易を見たりしてな、また、茂右衛門が仕事で迷うことがあると万吉が助言をし、その内容は必ず正しかった。
評判が評判を呼んで、大和屋はますます繁盛したんやと。

またある時、金長は茂右衛門に相談をもちよった。
「わっしはたぬきの頭株やけんど、まだたぬきとしての位を持っとらん。そこで修行のため、しばしの間、いとまをいただけんやろか」
「そうか、お主がおらんくなるは寂しいが、それが望みだったら仕方あるまい。わしのことは気にせんでええ、思う存分修行してまいれ。そして思いを成し遂げたなら、またここへ帰ってくるとええ」
そうして、金長は茂右衛門に深々と頭を下げ、大和屋を後にしたんやった。

金長は子分の、藤の木寺の鷹を連れ立って、津田の化けだぬき・六右衛門に弟子入りした。
「う~む、此奴はなかなかのたぬきじゃわい。なんとかして、わしの身内に取り込んでしまわな」
六右衛門は四国たぬきの総領であったけんど、人を化かして物を奪うなどの悪事も働いとった。金長は修行で抜群の成績を収め、念願の正一位を得る寸前までになっとったけんど、六右衛門は金長を手放したら、彼が後々の脅威となることを恐れとった。
「のう、金長よ、わしの娘の鹿の子姫がお主に恋焦がれとるようじゃ。どうや、鹿の子と夫婦になって、わしの跡を継ぎ、息子の千住太郎の後見人になってもらえんかいの」
「六右衛門様、まこと有難いお言葉けんど、わっしには茂右衛門殿へ大恩があります。このご恩をお返しするまでは、他のことに気ぃ使えんのです。それまではご縁談のお話、容赦してつかぁさい」
金長は茂右衛門への義理に加え、六右衛門の残虐な行いを知っとったけん、これを嫌うて申し出を拒んだのじゃった。
六右衛門は、金長の言葉に反論できず、日開野へ帰っていく金長と鷹を見送るしかできなんだ。

それからすぐのこと、日開野へ帰る途中の金長と鷹の下に、鹿の子姫がやってきて言うたんや。
「金長さま、父の配下の四天王、作右衛門たちがこちらに向かっております。どうか、急いでお逃げください」
「いや、どのみちもう日が暮れる。そう言うことであれば、ここで迎え撃とう」

日が沈むと、辺りにひたひたと、たぬきの群れの足音が聞こえてきた。
「よし、今や」
掛け声と共に、金長と鷹は草むらから飛び出し、作右衛門たちを投げ飛ばした。
たぬき衆らは金長の勇ましさにおそれをなしたけんど、多勢に無勢、しだいに金長は追い詰められたんや。
「もはやこれまで、金長さま、逃げてつかぁさい」
鷹は金長を囲むたぬき衆の中に飛び込み、金長をかばった。ほなけんどそん時、鋭い爪が鷹の背中を、ふかぶかと切り裂いたんや。
「鷹ーっ!」
「金長さま、はよう、お逃げ、を」
金長は悲しみをこらえ、なんとか日開野へ逃れたのやった。

「お父さま、金長さまを許してください」
「いんや、やつをこのままにはしとけん。作右衛門、合戦の準備をせい」
「お父さまのこれまでの行いは、間違うとります。金長さまを闇討ちするなんて、あまりにひどい。金長さまが死んでしもうたら、うちも生きてはいけん」
「ぐぁはっは、あほなことを言よるわ。小娘はひっこんでおれ」
「お父さま、これがうちの決意です」
六右衛門に嘆願した鹿の子姫やったけんど、願いが叶わんことを知ると、姫は自分の命で父の悪行を咎めるべく自刃したのやった。
「おのれおのれ、金長。これもあれも、金長のせいや。やつを許すわけにはいかん」
また金長も、自分を愛してくれた鹿の子姫の死を知った。
「なんということや。わっしを愛してくれた鹿の子姫、共に戦った鷹の無念はいかほどか。かくなる上は、六右衛門に仇討ちをするぞ」
金長の呼びかけに、鷹の息子の小鷹と熊鷹も駆けつけ、仲間のたぬきたちも立ち上がった。

ついに合戦の時、勝浦川を挟み、金長軍総勢600匹余り、六右衛門軍総勢600匹余りが向き合うた。
「おうおう、四国だぬきの総大将、津田浦の六右衛門たぁこのわしのことよ。金長に与するたぬきどもよ、逃げ帰るなら今のうちやぞ」
「六右衛門の手先となったたぬきらよ、わっしが金長や。今日この時こそ、これまでの悪事の数々、年貢の納めどきと心得よ」
対岸で互いの咆哮が響き、こうして「阿波たぬき合戦」ちゅう呼ばれる、四国中のたぬきたちを巻き込んだ、激しい戦いが幕を開けたんやった。
勝浦川の死闘は3日3晩に及び、川の水は血で真っ赤に染まり、川床はたぬきたちの死体で埋め尽くされた。
仇討ちの執念を燃やす金長たちは、川を渡り、ぐんぐん進撃した。対する六右衛門は城に籠り、守りを固めた。しばらく戦いはこう着したけんど、金長は遂に門を突破した。
城内でもたぬきどもが入り乱れ、爪と牙で血みどろの激闘が続いた。そしていよいよ、金長と六右衛門の一騎打ちとあいなったんや。
「まて、六右衛門。鷹と鹿の子姫の仇、討たしてもらうぞ」
「おのれ金長、我が娘が死んだんはお前のせいや、許さん」
体躯のええ2匹のたぬきは、更に毛ぇ膨らました。掴み合うては爪で皮を引き裂き、口で肉を噛みちぎった。
最後に金長が六右衛門の喉を食い破り、この壮絶な戦いに決着がついたんや。

戦いに勝った金長やったが、彼もまた致命傷を負うとった。金長は最後の力を振り絞って日開野の、茂右衛門の元へと帰っていった。
「茂右衛門さま、金長は帰って参りました」
金長の声を聞いた茂右衛門は、慌てて戸口に走り寄った。そこには傷だらけのたぬきが横たわっとった。
「ど、どうしたんや、金長よ」
金長は、修行を正一位寸前までやり遂げたこと、ほなけんど茂右衛門への大恩を返すため六右衛門の組を抜けたこと、鷹と鹿の子姫を失い大合戦となったことを、なんとか茂右衛門に告げ、そして最後に深う礼を言うて、茂右衛門の腕の中で力尽きた。
「おお、おお、お主はなんと立派なたぬきであったことよ」
金長の生き様に心を打たれた茂右衛門は、自ら京都の吉田神祇管領所へ出向いて、金長念願の正一位を、彼のために授かって来たのやった。
その後、六右衛門の息子・千住太郎が、修行先の屋島の禿だぬきのもとから駆けつけ、敗れ去った六右衛門軍を再召集して日開野へ攻め入ろうとした。
2代目金長を襲名した藤の木寺の鷹の子・小鷹も、これを迎え討つために軍を集結。再び合戦がはじまろうとしよったけんど、そこへ讃岐屋島の禿だぬきが仲裁に入り、ようやく合戦は終結したんやと。

茂右衛門は金長を、正一位金長大明神として丁重に祀った。今でも、金長大明神は小松島市中田町の金長神社に祀られ、あわの人たちに厚う厚う信仰されとるのやった。
ぽんぽこぽんぽこ、ぽんぽこりん




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